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自分のカラーサイエンスを持とう カメラメーカーやソフトメーカーのお仕着せでなく
デジタルカメラの撮像素子は色を感知できず、各素子にRGBいずれかのカラーフィルターを付け
各社のカラーサイエンスで色を合成している。明るさのトーンカーブもメーカーにより違いがある。
暗部を落としフォルムの美しさを出した
Leica Q3 43
絞りF2.8
絞りF2.8
その場で感じたイメージ通りに調整することでカメラメーカーのお仕着せでなく
自分の写真になる。
こちらはハイキーで撮影
柔らかな雰囲気になる。
Leica SL3
LUMIX 85mm
絞りF1.8
LUMIX 85mm
絞りF1.8
アンダーで撮影Leica SL3
LUMIX 85mm
絞りF1.8
LUMIX 85mm
絞りF1.8
![]() 画像をクリックすると部分拡大画像が開く |
ソフトに仕上げた。
Nikon Z6III
50mm
絞りF1.2
50mm
絞りF1.2
カメラの撮像素子は色を感知することができず各素子にRGBいずれかのカラーフィルターを付け
近隣の違う色のフィルターの情報から
各社のカラーサイエンスによって色情報を作り出している。
カメラの撮って出しの色や明るさは参考になるものの
自分の表現したい色や明るさとは異なることがある。
表現をするということは、自分の色や明るさなどで
感じたことを写真にするということと思う。
JPEGはカメラメーカーの推薦する画像で、
8bit(256階調)に縮小され、データ量が小さいが、
撮影時の多くのデータが失われており、後処理耐性が低い。
カメラが記録したRAW画像を現像し自分の写真を作ることが望ましい。
12bitでは4096階調、14bitでは16384階調となり、少なくとも
12bitで撮影し、RAW現像後16bitのTIFFデータに変換し
レタッチすると高画質なデータが得られる。
カメラ内でRAW現像できる機種もあります。
右はニコンの例です。
テクニックより自分の作画意図が重要
Leica SL3
LUMIX
16-35mm
絞りF4
LUMIX
16-35mm
絞りF4
撮ってだし黒つぶれせず
暗部に階調性が
残っている
Hasselblad
45mm
絞りF5
45mm
絞りF5
![]() Leica M10-P & Q2 Monochrome |
自分の求める調子、色の写真をRAW現像、レタッチで突き詰めることができる。
私の場合は少しアンダーで渋い色合いが好きで、撮影時に白飛びしないよう、アンダーで撮り、後処理で暗部を持ち上げることが多い。又、彩度は落とし、過度な派手さでなく、色の渋みや色の対比、明るさの対比で印象的な写真にしたいと思っている。

Leica M10-P
28mm
F5.6
JPEG
UV filter
28mm
F5.6
JPEG
UV filter
黒が美しいLeica Q2
Monochrom
Yellow Filter
Monochrom
Yellow Filter


京都駅
LUMIX S9
26mm
絞りF8
L.Monochrome
JPEG
26mm
絞りF8
L.Monochrome
JPEG
RAWで撮影しておくと、現像時に自分のイメージに合わせ色合いを変えることができる。
これは撮影時に設定している。
京町家LUMIX S9
26mm
絞りF8
L.Classic
JPEG
26mm
絞りF8
L.Classic
JPEG
スマートフォンの代わりにカメラを使う7つの理由があげられているが、AI技術等によりその差は
ほとんどわからない位になるだろう。
カメラでも後処理でAI技術を使えば、スマートフォンと変わらない処理ができる。
私の場合、撮影に重きを置いて後処理は補足的にしている。
Photoshop に生成AI機能が搭載され、ここまでできる。
ポートレート写真のレタッチについては▶ こちらの記事をご覧ください。
協力:dphoto salon メンバー
簡単なRAW現像、レタッチ
![]() Affinity Photo でRAW現像 |
![]() こんな失敗作と思う写真でも RAWで撮っておくと甦る。 |
難しい条件の画像である程RAW現像のメリットが活かせ、画像劣化を最小限にして画像を編集できる。
各カメラメーカー専用の無料RAW現像ソフトや有料の汎用ソフトがある。
ニコンでは NX Studio、Capture One Express for Nikon
キャノンは Digital Photo Professional(略してDPP)
富士フィルムは Capture One Express for Fujifilm
Adobe Photoshop 等
ヒストグラムやトーンカーブは明るさ、コントラストを調整できるが、色を変えることもでき、
ヒストグラムやトーンカーブを
マスターすると色を自在に
コントロールできる。
RAW現像のコツ
- RAW現像で最も重要なのは、どのような写真作品にするのかはっきりさせることであり、撮影意図に従って処理する。
- 意図通りの写真にならなかった場合、RAW現像からやり直す。レタッチで極端な調整をすると画像劣化してしまう。
- ソフトに自動調整やオートの機能がある場合は試してみる価値がある。
- 白飛びや黒つぶれした部分にはデータが無くRAW現像で救済することはできない。▶ 救済方法はこちらをご覧ください。
黒く見える部分にはデータがあることが多いが、白飛びした部分にはデータが無く後で調整ができないので、撮影時白飛びしないよう気をつける。少しアンダーに撮影して暗部を持ち上げている。
RAW現像、レタッチの基本



RAW現像、レタッチのポイントはピクチャーコントロール、
(キャノンではピクチャースタイル)とホワイトバランス
色の三原色を理解し、補色(反対色)の関係を理解しておくことも重要
どんな色を、どこに配色するかは色彩のセンスになる。
デジタルカメラの撮像素子は色を感知することができず、各セルには
3色のいずれかのカラーフィルターが付いており、各セルに記録された明るさの情報をもとにカラーにしている。
カラールックアップ(LUT: Look Up Table)では
RGB三原色の配列
に基づきカラー調整を行う。
右はグリーンを強調した。
紫陽花の色が引き立つ。


ヒストグラムは色のバランスを見る基本で、ヒストグラムの3色をコントロールしてホワイトバランスを調整することも可能。上の元画像はホワイトバランスが悪いわけではないが、もう少しウインドーからの光を暖かくしたい。
又、明るい所が白飛びしており、暗部も少し明るくしたい。
出力レベルを14、239 bitにし、中央のスライダーを少し左に動かし、画像を明るくした。
レッドの右のスライダーを少し左に動かし、明るい部分に赤を足した。
彩度を少し上げて完成させた。


トーンカーブを用いるともっと細かく調整ができる。ただ、ヒストグラムを勉強してからの方がよい。
部分的に適正なホワイトバランスが違う場合に使うとよい。
RAW現像・レタッチアプリケーション
私の場合、RAW現像はニコン NX Studio、レタッチは Photoshop を使うことが多いが、色々なRAW現像、レタッチソフトを試している。
倶楽部では普段皆さんが普段使っているソフトを使ってもらっている。
Adobe Photoshop、Lightroom
Adobe Photoshop にはRAW現像ソフト Adobe Camera Raw (ACR) が付属しており、ACRでRAW現像後 Photoshop でレタッチを行う。
Adobe Photoshop Lightroom は写真の選別から出力まで一貫して使用でき、大量のデータ処理に適する。
撮影データの中から選別、RAW現像、レタッチの操作性がよく、プリントやWebへのアップまで、一連のワークを効率的に処理できる。
右は撮影したままの画像Leica Q
レトロな雰囲気の喫茶店なので、彩度、コントラストを下げ、周辺を暗くし、さらにノイズを加え、レトロな雰囲気にした。
「B&W」でモノクロに変換でき「白黒ミックス」でカラーフィルター効果を与えることができる。モノクロのカラーフィルター効果については
▶ こちらの記事をご覧ください。
Capture One

Capture One はフェーズワンが提供するソフトで、多くのプロが使っている。
Capture One Pro になると、レイヤーや高度な色調整等の 画像編集 が使える。
特にカラーエディターでは、部分的な色調整や、明部、中間、暗部の調整等ができるカラーホイールがあり、カラーグレーディングするのに適する。
又微妙なスキントーンの調整もカラーホイールでできる。
これだけ高度な処理でありながら、使いやすく、マニュアルを必要としなかったが、専門家によるサポートも付いている。
性能が低いパソコンでも処理が早く、試しに古い MacBook Air 1.4 GHz Dual Intel Core i5
メモリー4GBで処理してもストレスを感じなかった。又13インチの小さな画面でもレイアウトが自由に変更でき、画像を大きく表示できるのがよい。
使ってみて優秀だと思うのは「ハイダイナミックレンジ」で極端に調整しても自然さが余り失われず、
ノイズの発生も抑えられている。
又秀逸なノイズ除去もある。
右は最極端に調整し、HDR(High Dynamic Rage)合成と同等の効果を出した。

カラーを極端に調整しても破綻は少ない。
京都御苑にて富士フィルムのカメラでは
フィルムシミュレーションにより
色調を変えることができる。
右は、Fujifilm X100s の
Velviaフィルムシミュレーション
モードでカメラ内現像してみた。
昔使っていた Velvia 50 の色調が再現できている。
Capture One でRAW現像する際フィルムシミュレーションを適用したり、プリセットから選ぶこともできる。
Capture One でRAW現像時
Velviaのフィルムシミュレーションを適用した。
Capture One の記事は分割しました。詳細は
▶ こちらの記事をご覧ください。
Affinity Photo
今やスマートフォンで撮影した画像をすぐに簡単に明るさや色を調整でき、インスタグラムではアップロードする時簡単に調整ができる時代に、スマートフォンでできないことを簡単に、高画質に調整できるパソコン用やiPad用ソフトがあってもよい。
Adobe Photoshop 並の機能がある安価なソフトを探しているのであれば Affinity Photo をおすすめする。
(50%オフ3060円で購入。月額ではありません。iPad 用もあり50%オフで 1220円)
初心者の方はオートやプリセットを使って簡単に処理でき、サンプルを選ぶだけでもけっこう良い写真になる。ベテランの方は多彩な処理を効率良く処理することができる。
Affinity Photo は Adobe Photoshop とほぼ同じ機能を備えた、安価なRAW現像、レタッチソフト。肌の色も直感的に調整できる。
バックが濁って見え、桜らしくないので
明るさ、ホワイトバランスを調整後
バックの桜の色調を調整した。
顔が少し黄色っぽいので、肌の範囲を色ピックアップツールで選択し
HSLカラーホイールで調整した。
HSLで極端な調整をしてみた。
インペインティングブラシツールを使うと、部分的にものを消すことができる。自転車を消してみた。
何回もブラシを使ったが、これ以上はコピーブラシツールを使った方がよい。

キャノンの EOS R5、R6 ではDPRAW現像にポートレートリライティングが追加され、人物を撮影したときの光量不足等を補い、仮想光源を当て照射方向や強さ、照射範囲などを補正できる。右はカメラ右側からライティングしているが、光量が不足してしまった。
Affinity Photo でリライティングの調整をすることにした。
全体を明るくするとバックの雰囲気が無くなるので、顔の左側とヘアを調整した。
まずレベル、ホワイトバランスを調整後、
明るさ/コントラストで明るくし、マスクを作成、反転(⌘i)し、一旦効果を無くし顔の左側、ヘアを白のブラシで塗って部分的に効果を出した。
微調整の描画モード:ソフトライトの新規レイヤーを作成し、微調整した。

Affinity Photo の記事を分割しました。詳細は
▶ こちらの記事をご覧ください。
ニコン NX Studio
NX Studio は閲覧から、RAW現像、編集を包括的にカバーするニコンのソフトウェアで、撮影時のピクチャーコントロールを後から変更でき、色や明るさ等の変更も画像劣化を最小限に抑えて処理できる。詳細は こちらをご覧ください。

![]() 画像をクリックするとA4プリントサイズ相当の拡大画像が開く |
ニコンの場合は、現在 NX Studio* を使っている。
Photoshop や Capture NX 2 と連携させ、RAW現像した画像をレタッチし、
TIFFやJpegで保存できる。非破壊的にRAW現像をやり直しできる。
スイートルームのシャンデリアをメイン光に右上に白熱灯のライトスタンドがある環境を活かし、温かい雰囲気を出した。フラッシュを補助光として発光させている。
肌の色をきれいに出すよう、ピクチャーコントロールはポートレートで、ホワイトバランスを調整した。
肌の色の調整は ▶ こちらの記事をご覧ください。
![]() Nikon D3、14-24mm f/2.8G、14mm、絞りF5.6、2008年1月 画像をクリックすると拡大画像が開く |

古いRAW(NEF)データを最新の NX-D ソフトでRAW現像し直すことができる。
上はオリジナルデータで、露出補正を+0.3EV、ホワイトバランスを晴天、ピクチャーコントロールを風景にした。さらにトーンカーブで全体に明るくした。
ニコンのRAW現像ソフト NX Studio の詳細は
▶ こちらの記事をご覧ください。
Nik Collection、フィルムシミュレーション
Nik Collection にはフィルムシミュレーションができるColor Efex 等6つのアプリケーションがある。
ベルビアのフィルムシミュレーションを適用し、効果がわかるよう少し極端に調整した。
最新の Nik Collection 4 を購入した。
Nik Collection については別記事にしました。▶ こちらの記事をご覧ください。
モノクロ処理の Silver Efex については ▶ こちらの記事をご覧ください。
RAW現像の事例
カメラメーカーやソフトメーカーが作り出す画像では面白くない。自分の意図により作品をつくり上げる楽しみを知ろう。
本当を言えば、撮影時から撮影意図が決まっていないと良い作品づくりができない。
レタッチには画質劣化が伴うので、画質劣化を最小限にするやり方をすることが重要。
思い通りの画像にならない場合には、RAW現像に戻り、もう一度やり直す方が、良い画質の写真が得られる。
RAW現像の仕方は色々あるが、ここでは私のやり方を説明する。一言で言えば、RAW現像はあっさり、基本的な調整に留め、レタッチで最終調整をする。
カメラの設定は、後処理を前提とし、素材性重視にしており、ピクチャーコントロールは普通ニュートラルにしている。
右は撮影時の設定のままの画像で、コントラストや彩度が低く、ねむい画像になっている。
これ以上レタッチを加えると画質が破綻しやすい。
私の場合は、自分の意図によりレタッチする。
結果的には右と同じような写真になるかもしれない。
夕景、夜景では、ホワイトバランス オートで撮影すると、平凡な写真になってしまうことがある。RAWで撮影しておけば、現像時ホワイトバランスを変えることができ、雰囲気を損わずにすむ。右はホワイトバランス オートで撮影し、カメラ内現像したもの。
3000Kで現像し彩度をアップした画像を重ねた。倉庫の部分は赤みを出す為、80%の透過度で元のホワイトバランス オートの画像にした。
暗部を持ち上げ、全体の彩度を調整し仕上げた。
ホワイトバランスとは、基本的に白を白く見せ、グレーをグレーに見せることにあり、昼の太陽光、夕方の光、電球、蛍光灯等光源の色温度に合わせて、見た目に近いようにカメラ内で色調整することを言う。ホワイトバランスを意図的に変えて、自分の色を出すこともできる。RAW現像の際、ホワイトバランスを調整することができる。
デジタル写真の元データのダイナミックレンジは広く、RAW現像時にプラス1EVからマイナス2EVの露出補正しても画像劣化はほとんどなく、最適な露出の画像が得られる。(白飛びや黒つぶれによりデータが無ければ、その部分は再現することはできない。)
RAW現像する時、露出補正をしたいくつかの画像を重ねてダイナミックレンジをあげることができる。かと言って、後で露出補正したり、暗部を持ち上げることは画質上良くはなく、適正露出で撮影する方がよい。
撮影時に段階露出してオートブラケット撮影することで、複数の画像を重ね、ダイナミックレンジをあげることもできる。
HDR(ハイダイナミックレンジ)処理についての詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。
![]() Nikon D5、ISO 1100で撮影。ノイズ低減はLowに設定。撮ったままNX Studioで現像。 雰囲気を出すため暗部を明るくする必要はないが、テストで、上の画像を+2EVして現像してみた。 画像をクリックすると2EV持ち上げた画像(A3プリントサイズ)が開く。 |
明暗差が大きな条件では露出ブラケットで撮影し、後でHDR処理する。撮影意図に合う最適な露出条件の部分を組み合わせる。
3枚の写真を手動でパノラマ合成、HDR処理した。Nikon D810、24-70mm f/2.8E VR、絞りF5.6
窓からの柔らかな光だけで撮影。ニコン NX Studio でRAW現像時、ピクチャーコントロールをポートレートにし、明瞭度を下げ、ソフトにした。
さらに、右側に光の筋を入れ、光を感じられるようにした。
Nikon D810
58mm f/1.4G、絞りF3.2
58mm f/1.4G、絞りF3.2


ホワイトバランスを変えると、写真の雰囲気が変わる。
ポートレートでは肌の色をきれいに出す為、肌に合わせたカラーバランスが重要になる。
左側はありきたりの感じがする。クールトーンに調整した。
私の場合、カメラから出力される色をそのまま使うことはほぼ100%ない。自分の色を作りこみます。


デジタルカメラや、レタッチソフトの進歩により、撮影から出力、納品までのワークフローが変わってきている。
最近、ポートレート撮影時ピクチャーコントロールを
「ポートレート」に設定してテストしている。
右側は「ポートレート」に設定した元画像で、少しコントラストと彩度を上げて仕上げた。


肌の色は人により異なり、肌の色をきれいに出す為、意図的にホワイトバランスを調整することもある。
右は白人の肌の透明感を出す為、ブルー寄り(色温度を下げる)にしている。薄く青色フィルターを加えることもある。
レタッチである程度のコントラストやホワイトバランスの調整ができるが、RAW現像の際、ピクチャーコントロールやホワイトバランスを調整する方が画像劣化が少ない。
肌の色の調整について ▶ 詳細はこちらの記事をご覧ください。
風景写真のレタッチ
アジサイの道を撮影したら、手前の大きなアジサイが暗くなってしまった。
部分的に明るさ・コントラスト、色相・彩度を調整した。
新緑の頃信州をドライブすると緑が目に飛び込んでくる。記憶では、バックが暗く、主題の柿の木が逆光に光っているイメージだったが、写真を見ると見栄えがしないのでイメージに合うようにレタッチした。
Nikon D3x
24-70mm f/2.8G
ピクチャーコントロール:ニュートラル
(追記)24-70mm f/2.8G
ピクチャーコントロール:ニュートラル
最新の NX Studio で現像し直し、ピクチャーコントロールを風景にすると良くなると思うが、レタッチでどうなるのかやり直してみた。
背景のレイヤーをコピーし、描画モードを乗算にした。トーンカーブで明るさ、色を調整した。
HDR手法を使って、ドラマティックな表現をすることもできる。右は平凡な写真なので、空を濃くしてみた。

![]() 画像をクリックすると拡大画像が開く |
オーストリアの教会を訪れた時に、その壮大さに感激したが、持っているレンズは広角側24mmまでしかなく、撮影場所が限定されて壮大さが表現できない。
周囲を8枚ほど撮影して、後で手動でパノラマ合成した。実際は横長の3枚を使い、真ん中の画像をメインとし、上下を足してく感じで追加した。
16mm相当の画角になった。
尚、マニュアル露出で撮影しておくとオートで調整されず、見た時のまま撮れる。
風景写真のレタッチの詳細は
こちらの記事をご覧下さい。
ポートレートのレタッチ
ポートレートでは、肌をソフトに表現することが重要で、後処理で調整できるが、不自然な滑らかさは好ましくない。肌の処理に frequency separation method(周波数分離方式)を使うと、高周波成分と低周波成分を分けて処理し、肌のテキスチャを残しながら肌を滑らかにできる。
自然な感じの美肌処理や、肌荒れの調整、ライティングの補正を行う究極の方法。
Nikon NX Studio でRAW現像時、明瞭度を低くしてソフト効果を出すことができる。Nikon D750
58mm f/1.4G、絞りF1.6
58mm f/1.4G、絞りF1.6
ポートレート写真のRAW現像、レタッチ、デジタルメイクについては ▶ こちらの記事をご覧ください。
モノクロ写真のRAW現像、レタッチ

Leica M Monochrom はモノクロ専用機で、PhotoshopでRAW現像している。朝日が差し込む嵯峨野の竹林
モノクロ写真は色が無く、明暗差で表現することになり、光を読む勉強になる。
Voigtrander 21mm F4

Leica QモノクロでJPEG撮影するには、カメラ設定のJPEG設定の彩度をモノクロにする。
ファインダー像がモノクロになるのが目新しい。
右はJPEG記録画像。
▶ モノクロ写真の詳細はこちらの記事をご覧ください。
カラー グレーディング
![]() 画像をクリックするとA4プリントサイズ相当の拡大画像が開く |
明るさ・コントラストを調整し、
暗部のカラーバランスを青にふり
明部のカラーバランスを黄色にふってイメージ通りの作品にした。
![]() 画像をクリックすると拡大画像が開く |
夕焼けの雰囲気に調整した。


夕焼けを撮影しても、オートで撮ると夕焼けらしくない写真になる時がある。上は元画像で、新しいレイヤーを作成し陽が差すあたりをオレンジ色に塗った。
Photoshopの画像操作を右のようにした。
レイヤーの描画モードをオーバーレイにし、レイヤーの透明度を適度に調整して完成させた。夕日の雰囲気が出た。
レタッチの事例
レタッチの目的は、撮影意図に合うように写真の完成度を高めることにある。撮影した写真のままで完成するのが理想だが、その画像も、ある意味カメラメーカーが作り出したものであり、それよりも、自分の主観を大切にし、主張を明確にし、自分の作品を作り出したい。
レタッチ(画像編集、フォトレタッチ)は画像劣化を起こすことになるので、なるべく後処理が少なくてすむよう、適正な設定、条件で撮影し、後処理するワークフローを会得し、レタッチは必要最低限に留めるのがよい。
まずは、画像の色分布がどうなっているのか、ヒストグラムで確認してみよう。RGB各色毎のヒストグラムを見ると、バランスがわかる。色の調整は補色関係を理解しておくとよい。
右は NX Studio で現像しなおした作例
下は、Cature NX-D のヒストグラム
下は、Cature NX-D のヒストグラム

ヒストグラムにより全体の明るさの調整、ハイライトやシャドーの調整だけでなく、明るい部分、暗い部分、中間の部分ごとの色調整や、ホワイトバランスの調整までできる。
DPHOTO倶楽部では、ヒストグラムを理解し、使いこなすことをまずやっていただく。便利な機能を使う前に、ヒストグラムを使いこなすことで、明るさ、色、レタッチの基本をマスターすることができる。
白飛び、黒つぶれを救済することもできる。▶ 詳細は失敗写真の救済編をご覧ください。
レタッチの基本は、まず露出(明るさ、コントラスト)を調整し、その後カラー調整、部分的な処理、彩度調整をし、最後にアンシャープ処理を行った後、最終チェック(テストプリントや、複数のパソコンでチェック)、微調整を行う。
私の基本的なレタッチのやり方を事例で説明する。アメリカのスーパーマーケットで親が話しに夢中になっている間、子供には子供の世界があるのを感じ、コンパクトデジカメを子供の目線に下げ、ノーファインダーで撮影した。
逆光の為、子供が暗くなってしまっている。
JPEGデータだったので、まずは16bitのTIFFデータに変換した。
背景を2つコピーし、一つは背景用のレイヤーに、もう一つは主題用のレイヤーにする。
元データを含み3つのレイヤーの良い所を、あるいはその中間を選択して、一つの画像にした。最後に、各レイヤーの透明度を調整し、違和感が無いようにした。全体の彩度を上げ、シャープネスを適度に加え仕上げた。
シャープにする
シャープネスはレタッチの最終段階で、出力サイズに変更してから実施する。
私の場合、基本的にシャープネス処理は行わないが、必要な場合は、部分的に最低減適用する。シャープネスをかける時は画像を100%表示し、違和感が無いよう調整する。
エッジに線を引くと考えると、量はエッジの線の濃さ(濃度差)、半径は線の太さ、しきい値はどれだけ濃さに差がある場合に線を引くかということになる。
半径を大きくするとエッジのふちが不自然になってしまう。A4にプリントする場合には1.0ピクセル程度が好ましい。
しきい値が小さいとノイズが目立つことがある。風景では0から10程度で調整するのがよく、ポートレートの場合は、肌の荒が目立たせず肌を滑らかに保つ為、大きめがよいが、私はまず20程度にして確認するようにしている。
Photoshopのスマートシャープフィルタはより自然な感じにできる。半径を大きくすると不自然な感じになるので最小限にする。シャドウにノイズが出ないよう、詳細にチェックを入れ、シャドウの補正量は大きくせず、シャープネスをかけ過ぎないようにする。階調は大きく。
眉毛にのみをシャープにするには、シャドーの補正量を大きくし、階調の幅は大きくしない。
Frequency Separation Methodでハイパス効果によりシャープにすることもできる。上記参照
レンズが上質だと後処理でソフトにしてもシャープにしても破綻することが少ない。元画像が良くなければ後処理はうまくいかない。
ノイズ低減処理
個人的には階調性重視で、ノイズは余り気にならないので、撮影時高感度ノイズ低減はLowにしており、後処理では必要な部分に最低限の処理しかしない。
ピクセル等倍にしてあらさがしするのは好きではない。ピクセル等倍でノイズがのらないようにすると、階調性が劣化したり、のっぺりした画像になってしまうことがある。写真は全体を見て鑑賞するのがよい。
ノイズが気になる場合は、RAW現像時にノイズ低減ができるが、やり過ぎると階調性や質感が無くなってしまうので、必要最小限にするこのがよい。
部分的にノイズ処理する場合は、レタッチで行う。Nikon D800E、ISO 3200
朝焼けを撮影したが、メリハリを与える為コントラストを強くし、彩度を上げたので、ノイズがのってしまった。細かい模様の部分は気にならないが、空の部分が気になるので、気になる部分のみノイズ低減した。
フィルターのノイズ低減ではうまく処理できなかったので、画像を統合しぼかしをかけた。少し多めでもかまわない。レイヤーマスクを作成、反転させ、一旦このレイヤー効果を無効にし、レイヤーマスクを選択した状態で画像を白のペイントで塗ると、その部分のみレイヤーの効果が有効になり、ぼかしがかかる。レイヤーマスクの透明度、ぼかしを調整し、レイヤーの不透明度を調整して違和感がないように最小限の処理をした。

白飛び、黒つぶれした部分の救済
白飛びや黒つぶれしてしまった部分にはデータが無く後処理でどうしようもない。
右は明暗差が大きな条件で、本来露出ブラケットして撮影しHDR処理すればよいが、1枚しか撮影していなかった。RAW現像で、明るさを変えてHDR処理してもよいが、ここではレタッチで調整する。

![]() 画像をクリックすると拡大画像が開く |
まずは、レベル補正の出力レベルのスライダー右(白レベル)と左(黒レベル)を調整し、白飛び、黒つぶれを無くす。
白飛びの部分がグレイになるが、土色の方がよいので、特定色域の選択で、白色系を選択し、ブラックを上げ、シアン、マゼンタ、イエローを調整して白色の部分を土色にした。
緑がくすんでおり、ヒストグラムを見るとブルーが偏っているので、レベル補正で、ブルーを選択して色調整した。
出力レベルの調整で、コントラストが低くなったので、トーンカーブを用いてコントラストを上げた。
最後に彩度を調整し、シャープネス処理を少し行った。
露出の失敗の救済
右は、夜の撮影の時、モードダイヤルが動いてしまいマニュアルになっているのに気が付かず、極端なアンダーになってしまった。ISOオートに設定していたので、ISO 3200 まで自動でアップし、かろうじてデータが残っていた。RAW現像時プラス2EVしたが、ノイズが大量に発生して画像が荒れ使えない。
昼下見した際、ほとんど同じ位置で撮影した画像があったので、歪を調整し、上の画像に重ね、HDR処理で修復した。レイヤー、レイヤーマスク
Photoshopで効率的に効果を上げるにはレイヤーとレイヤーマスクを使い、ブラシをうまく使うのがコツ。レイヤーにはレイヤーの効果を変える「ソフトライト」や「スクリーン」等の描画モードがある。デフォルトは「標準」になっている。
レイヤーマスクは部分的な調整ができる。レイヤーマスクを作成すると白色になっており、全面にレイヤーの効果があるが、黒のブラシで画像をなぞると部分的にレイヤーの効果を無くすことができる。
小さな部分だけを調整する場合には、レイヤーマスクを作成した後反転させ、レイヤーマスクを黒色にする。画像を白のブラシで塗るとその部分にレイヤーの効果があらわれる。
又、レイヤー、レイヤーマスクを操作するブラシの透明度、ブラシの大きさ、ブラシのボカし具合を調整して自然な効果にすることが重要。
レイヤーはなるべくレイヤーグループにまとめておくのがよい。やり過ぎた場合にはこのグループの透明度を調整する。
コーピーペーストや修復ブラシは新しいレイヤーを作成し、描画モードを適切に設定し
元の画像を殺さないよう調整する。
効果モードをソフトライトに設定すると、元の画像を活かして調整でき、自然な感じになる。
色温度が違う個所の色を調整するだけなら、効果モードをカラーに設定する。暗い場所を明るくするだけなら、効果モードを比較(明)やスクリーンにする。
ここでは個別の事例で説明しているが、多くの調整のし方があり、又実地にやらないと習得できないので、DPHOTO倶楽部では実地に研究、トレーニングしている。


撮影現場を異なる光線状態でテスト撮影しておくと、後で助かる場合もある。カーテンを通した外光で撮影した写真と、シャンデリアで室内を照明した写真をブレンドした。
![]() 画像をクリックすると拡大画像が開く |
ワークフロー
撮影した写真を適切に処理し、高品質な画像を出力するにはカラーマネージメントする必要がある。カラーマネージメントの詳細は こちらの記事をご覧下さい。
私はメインマシーンに MacPro、iMac、
モバイル用、旅行用に
MacBook Pro、iPad Air、iPad mini 等を使う。
作品づくりには iMac を使っている。
入力デバイスとして Apple Magic Trackpad
ペンタブレット Wacom Intuos Pro Large を使っている。


プリンターは、エプソンの A3ノビ対応顔料系プリンター SC-PX1V とエコタンク搭載A3ノビ複合機の Epson EW-M973A3T を使っている。
大伸ばしはプロラボに依頼しており、プリントサンプルを上記プリンターで出力する。
ニコンのフィルムスキャナー SUPER COOLSCAN 4000 ED を使う為、
古い Mac 使っている。
倶楽部ではA4からA3ノビサイズまでのプリントで写真を見ており、パソコンで写真を見るより高精細で階調性の高い写真が見れ、写真本来の良さがわかる。
要望により拡大画像を載せていますが、低画質画像です。
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