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簡易チェック:16階調グレイスケールの差が均等になっていて、どこにも色が付いていないこと。

色調整された機材を使い、正しい調整をして初めて正しい色管理ができる。
ここでは作品づくりを前提にRGB方式ワークフローを説明する。

カメラの設定から後処理までのワークフローを決めておくと、効率的に処理ができ、完成度の高い作品が得られる。(詳細下記)

色の組合せや周りの色、明るさにより違う色に見えてしまう錯覚がある。測定したデータで再現できたとしれも、印象と同じ色にはならない。
又、後から思い出す場合、記憶により自分の色を作ってしまうこともある。
オートで撮れば正しい色になるんだろうか。
フィルムカメラではフィルムを変えることで色が変わる。
デジタルカメラではメーカー / 機種により色が異なる。

上はナチュラルのモードで撮影
強調しているが、印象としては
こんな感じだった。

又撮影後にRAW現像や画像処理で色を変えることもできる。
自分の印象(記憶色)に近づけることができ、
作画意図により色を調整し、クリエイティブな作品づくりをすることもできる。
面白い雲が出たので、空を強調した。

海外では意欲的な作品づくりがされている。(詳細下記)
色調整の基礎
デジタルカメラの撮像素子はカラーを感知することができず、素子毎に3原色のいずれかの色のカラーフィルターを付けて記録し、近隣の素子の情報からカメラ内でそれらのデータをもとにカラーに変換している。
3原色の各々の強さ、明るさを個別に調整することで、明るい部分から暗い部分までの明るさ、色を思い通りに調整できる。
人間の目で見たものは、脳でイメージが作られるが相対的なもので、言い方を変えれば錯覚があり、周りの明るさや色にまどわされるので、理論通りにはいかない。
しかし、色の三原色を理解しておくことは色調整で重要で、反対に錯覚をうまく利用すればよい。
補色(反対色)の関係、例えばスキンカラーに対して青緑色は対極する色になり、
orange and teal(ティール&オレンジ)と呼ばれており、人を目立たせる効果がある。
赤色や黄色は似た色になり、柔らかなトーンになる。
好ましい色は
色の調整は複雑で、個人個人好みが異なる。
作品撮りでは自分の好きな色合いを自分の個性として大切にしていけばよい。
カメラからの撮ってだしの色はカメラメーカーが良いと考える色であり、必ずしも現実の色を表現しているわけではない。
忠実色か記憶色かの問題もある。現実の色を(できたとして)正確に再現してもきれいと思われない場合もある。
ある程度の強調が必要なケースもある。
余りにも現実離れした色も違和感がある。
どんな色を、どこに配色するかは色彩のセンスになる。
カラールックアップは
RGB三原色の配列
(LTU, Look Up Table)
に基づき簡単に補正ができるようなプリセット。
右はグリーンを強調したLUP。
画像のチャンネルを見ると、3色の強さがわかる。
3色の強さをチャンネルミキサーで調整することで色を変えることができる。
夕焼けの雰囲気に調整した。
チャンネルミキサーの調整レイヤーでレッドのチャンネルを選び、レッドを少し強くした。
レッドのチャンネルにグリーンとブルーがあるが、これはそのチャンネルのレッドの強さを調整することになる。
同様にグリーン、ブルーのチャンネルを調整した。
ブルーは少し弱くし、反対色の黄色を強くした。

画像をクリックすると拡大画像が開く
最終画像は、レイヤーマスクにグラデーションを使い、下の方は元の画像にした。
色がおかしいと感じる時、
全体の色の問題か、
部分的な色の問題かを分けて考え
対処するのがよい。
全体の色の調整は、
画像処理ソフトのカラー補正や
自動色調整の機能を使って簡単に
調整ができる場合もある。
右は古いプリントをスキャンしたが
プリントが変色していたので、
スキャナーのソフトで退色補正した。
部分的な問題は
人物の肌の色が良くない場合や、
色(緑)かぶりの問題があり
下で補正方法を説明する。
ホワイトバランス
色調整で重要なのはホワイトバランス
全体の色がおかしい場合、ホワイトバランスが悪いことが多い。
ホワイトバランスとは、基本的に白を白く見せ、グレーをグレーに見せることにあり、昼の太陽光、夕方の光、電球、蛍光灯等光源の色温度に合わせて、見た目に近いように色調整することを言う。
ホワイトバランスを変えてみて自然な色になるように調整するとよい。ホワイトバランスを意図的に変えて、自分の色を出すこともできる。一般的にはオートにしておけばよい。
RAWで撮影しておくと、後処理でホワイトバランスを変更することができる。



画像をクリックすると拡大画像が開く
自然光、室内光(白熱灯、蛍光灯、LED)で色温度が異なる。
白を白として表現するだけでは面白くない。その場の雰囲気を出すことも重要。
上はカーテンを通した外光で撮影した写真と、シャンデリアで室内を照明した写真で、雰囲気を活かしながらフラッシュをマニュアル発光させテストした。
ホワイトバランスを変えると、写真の雰囲気が変わる。
左側はありきたりの感じがするのでクールトーンに調整した。
ピクチャーコントロールは、カメラ内で画像の仕上がりを調整することで、彩度やコントラスト、場合によりホワイトバランスが調整される。
一般的なスタンダードから、色鮮やかな仕上げにするビビッド等があり、自分の好み、あるいは撮影対象により変更すればよい。
余り彩度やコントラスト、シャープネス等仕上がりを派手にし過ぎると、後の画像処理がうまくいかなくなるので、ピクチャーコントロールはナチュラルか、せいぜいスタンダードにしておくのがよい。
色かぶりの補正



画像をクリックすると部分拡大画像が開く

Capture NX-D のヒストグラム
屋外で、周りに緑の多い場所でポートレート撮影すると、
肌が緑かぶりすることがある。
元画像は少し緑かぶりしているので、Photoshopのカラーバランスの中間調を上の右図のように調整した。
桜の赤色を強調する為、ハイライトのレッドを強くし、
髪の毛の色の調整の為シャドーを調整した。
全体を調整する為、わずかに青のカラーフィルターを顔にかけた。
明るさ・コントラスト調整レイヤーで顔を少し明るくした。
自然な彩度を少し高くして完成させた。
緑の中で撮影すると緑かぶりすることがある。
フラッシュを軽く当てると色を補正することができる。
カメラにはホワイトバランスのAUTO以外に、色温度を指定したり、AUTOでも、白色基準から撮影時の雰囲気を残す色温度の数種類選択できるカメラや、標準の色を微調整することができるカメラもある。
RAWで撮影しておくと、RAW現像時ホワイトバランスを調整して、色を変えることができる。
まずは、画像の色分布がどうなっているのか、ヒストグラムで確認してみよう。RGB各色毎のヒストグラムを見ると、バランスがわかり、補正の方針がたてられる。
一部だけ色かぶりを起こした場合は、後処理で色を調整し、色かぶりを抑えることができる。
右の場合は、肌の部分が緑かぶりしており、Photoshopの調整レイヤーでカラーバランスのハイライトのグリーンをマゼンタ寄りに調整した。
右の場合は、ホワイトバランスを青にふった後、カラーバランスでハイライトのブルーを強くし、肌の透明感を出した。
床の人工芝で緑かぶりした極端な例の写真を修正してみた。右は元画像で、顔や上着に緑かぶりが出ている。又、天井からの照明の影で顔が暗くなっている。
まず全体を明るくした。
人だけを調整する為、人を選択し、別のレイヤーにコピーした。
上着から顔にかけ、トーンカーブで暗部のグリーンを下げた。グリーンかぶりはほとんどとれたが、上着や顔の暗部は緑が残っている。
こんな時には、RAW現像からやり直した方が早いし、画質劣化も少ない。
背景に最適な条件と、人物に最適な条件でRAW現像し、背景の画像の上に、人物の画像を重ね、一旦全てのレイヤーを隠すレイヤーマスクを作成し、元に戻す。レイヤーマスクを選択し、白のブラシで人物を塗っていくと、このレイヤーが現れる。
未だ少し顔や衣類にに緑色が残っている部分があるので、新しいレイヤーを作成しデジタルメイクを施した。
新しいレイヤーを作成し、レイヤーモードをカラーにして色を塗っていく。
デジタルメイクについては こちらの記事もご覧下さい。
少し緑かぶりが残っているが、やり過ぎると現実感が無くなるので、これ位にした。
右は紫陽花の色が白いスカートに写って色が付いているが、雰囲気を活かす為修正していない。
イルミネーションの中で撮影すると
ライトの色で色かぶりしてしまうが
そのままにするのか、色調整するのか
個々のケースで判断するしかない。
この写真ではその場の雰囲気を活かし
モデルを色調整していない。
Nikon D500
16-80mm f/2.8-5E
昔撮影した写真で、水銀灯の光でホワイトバランスが崩れていたので、調整した。
紅彩絞りフィルターでソフト効果を与え、グラデーションツールで水銀灯の辺りをぼかした。


上の左は、床の手前にシーツを置いてカーペットの色かぶりを防いで撮影した。
Nikon D800E、24-120mm f/4G、絞り開放
上の右は下を向いて顔が暗くなりやすく、又緑かぶりしやすかったので、下にレフ板を置いて光を補った。
Nikon D3x、50mm F1.4 使用
右はソフトフォーカスフィルターを使って撮影した画像で、色収差が出て、縁に緑色があるので補正した。
「色相・彩度」の調整レイヤーを作成し、グリーン系を選択、彩度を極端に落とし、必要があれば色相、明度を調整する。
レイヤーマスクで、補正を必要とする場所に適用した。

やり過ぎると違和感のある写真になるので、色収差が少し残ってもやり過ぎないようにする方がよい。
肌の色の調整
肌の色は個人差があるが、アジア人(黄色人種)の肌は白人と比べると黄色味を帯びており、忠実色で表現するのか、ピンクがかった白人の肌の色に表現するのがよいのか、ケースバイケースで判断する必要がある。


少女の清々しさを表現するよう調整した。
左は標準的な処理で画像処理した画像で、右は上のトーンカーブのレイヤーの透明度を調整し、適度にブルーイッシュな感じにした。
肌の色の詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。


夕焼けを撮影しても、オートで撮ると夕焼けらしくない写真になる時がある。
上は元画像で、新しいレイヤーを作成し陽が差すあたりをオレンジ色に塗った。
Photoshopの画像操作を右のようにした。
レイヤーの描画モードをオーバーレイにし、レイヤーの透明度を適度に調整して完成させた。
夕日の雰囲気が出た。
右はJPEG画像
Capture NX-D でRAW現像時コントロールポイントを用いて部分的な調整をし、夕暮れの雰囲気を出した。

画像をクリックするとA4プリントサイズ相当の拡大画像が開く
朝や夕方、又曇り空の場合、晴天とは異なる色温度になり、
室内でも照明器具により色温度が違ってくる。
作画意図によりその場の雰囲気を残す方が良い場合もある。
オートで撮影すると迫力が足りない写真になることがある。
右の写真はホワイトバランス:オートで撮影したJPEG画像
明るさ・コントラストを調整し、暗部のカラーバランスを青にふり、明部のカラーバランスを黄色にふってイメージ通りの作品にした。

画像をクリックするとA4プリントサイズ相当の拡大画像が開く
Nikon D810
80-400mm f/4.5-5.6G
絞りF8
画像のチャンネルを見ると、3色の強さがわかる。
3色の強さをチャンネルミキサーで調整することで色を変えることができる。
夕焼けの雰囲気に調整した。
チャンネルミキサーの調整レイヤーでレッドのチャンネルを選び、レッドを少し強くした。
レッドのチャンネルにグリーンとブルーがあるが、これはそのチャンネルのレッドの強さを調整することになる。

画像をクリックすると拡大画像が開く
同様にグリーン、ブルーのチャンネルを調整した。
ブルーは少し弱くし、反対色の黄色を強くした。
カラー・グレーディングについての詳細は
▶ こちらの記事をご覧ください。
ディスプレイに表示された通りの出力が得られるようになっていれば、パソコンの画像処理で作品を作り込んでいくことができる。
プリントしてみるとディスプレイの表示とは異なる色や明るさになり、意図する結果にならない場合、カラーマネージメントの原因が考えられる。
プリンターの自動色調整で色や明るさを調整するのは、自分の意思でイメージを出力することにはならない。
厳密には、ディスプレーは透過光のRGBで、プリントの反射光のCMYGとでは見え方が異なり、又、ディスプレイで表示できる色の範囲と、プリンターで表示できる色の範囲が異なり、最終的にはテストプリントで確認、修正する必要がある。
一番難しいのはポートレイト画像の出力で、特に女性の肌の美しさを出そうとすると、明るさや色調、彩度を微妙に調整する必要がある。白人、日本人でも肌の色が違うし、褐色から白い肌の人まで千差万別で、どこをどういじればよいのか、正しい知識と経験と感が必要となる。
詳しくは ポートレイト画像処理編 を参照下さい。
風景写真の場合には、感動を色で表すことが大切で、パソコンで納得いくまで作り込んだ上で、最終出力になる。
詳しくは 風景写真画像処理編 を参照下さい。
仕事ではクライアントのカラーマネージメントに合わせており、作品づくりも同じにしている。
カラーマネージメントの方法は色々あるが、AdobeRGBで統一するやり方を推奨する。
AdoveRGBによるカラーマネージメントでは、カメラの設定、ディスプレー、プリントまでをAdobeRGBのカラープロファイルで統一し、カラーマッチングする。ワークフローを決めておくと、効率的に処理ができ、完成度の高い作品が得られる。
まずはパソコンのディスプレイ(モニタ)が調整されていなければならない。
コントラストが高いモニターは写真編集・観賞用に適さない。
正確には、モニタ調整用チャートを使用して色温度や明度を調整したり、ハードウェアキャリブレーションによりカラーマネージメントする必要がある。詳細はモニターの説明書を参照ください。
画像処理に使用するパソコンは、Windows と Macintosh があるが、私は Macintosh を勧める。OSレベルでカラーマネージメントに対応しており、マックを取り巻く環境もクリエイティブな仕事に適している。ディスプレイの調整も標準のディスプレイ環境設定でほとんど問題がない。
ディスプレーは、表現できる色範囲が広いAdobeRGBに対応したディスプレーが望ましい。
ノートパソコンのディスプレイは色表現に劣るが、MacBook Pro Retina はIPS方式のレティナディスプレイを採用しており、写真の確認、調整に適する。
しかし、いくらディスプレーで確認しても、透過光と反射光との違いで見え方が違うので、最終的にはテストプリントで確認する必要がある。
ディスプレーがsRGBにしか対応していなくても、慣れてくるとプリント結果を推測できるようになり、又、テストプリントによって適正に最終調整できるようになる。
AdobeRGBに対応したディスプレイは高価なので、仕事で使うのでなければ安価なsRGB対応でもよいが、ディスプレイの調整は必要。
室内環境も重要で、私はパナソニックの三波長形蛍光ランプ昼光色、色温度5000Kを使用していたが、最近LEDに変えた。
私は
メインマシーン MacPro、iMac、MacBook Pro 15inch(756GB ヒュージョンドライブを搭載)
モバイル用 MacBook Pro Retina 15inch、MacBook Retina 12inch、東芝 Dynabook Kira V63/28M
MacBook Air 13inch、iPad Air、iPad mini、場合により iPhone を使う。
ディスプレイ NEC製LCD-PA272W、昔からNEC製ディスプレイには信頼を置いている。
私の場合は経験上、パソコンで見ると、どのように出力されるかほぼわかるが、それでも、プリントの場合はテストプリントを何回か行い、ウェブ画像の場合は4台の異なるパソコン、ディスプレイで確認して最終調整している。
プリントの場合は、プリンターだけでなく、用紙によっても結果が異なるので、そのプロファイルを入手して、最適な結果が出るようにしている。
重要なのはプリントする時、プリンターの自動色調整をオフにしないと、せっかく画像処理した結果が反映されない。使用する用紙のプロファイルを入手し、そのプロファイルでプリントすることで、用紙にあったプリントができる。詳細はプリンターの取扱説明書やメーカーのホームページで確認下さい。
カラーマネージメントされていないのに、プリンターの設定をいじって、色合わせをするのは間違いで、違う画像では又色合わせをしないといけないことになる。
写真を深く鑑賞するにはA4以上にプリントするのがよく、A3ノビにのばすと迫力があり、作品展示に好ましい。ディスプレーの約4倍(300dpi程度)の高精細な写真を鑑賞でき、作品の神髄を感じることができる。
又、自分の意思が作品として反映できるプリンターを選ぶことが重要になる。

プリンターは、エプソンの A3ノビ対応顔料系プリンター SC-PX1V とエコタンク搭載A3ノビ複合機の Epson EW-M973A3T を使っている。
A3をプリントする機会が少なければ、A4プリンターにして、A3以上はプロラボ等でプリントする手もある。私もA3ノビ以上の大きさにプリントする時はプロラボを使っている。
プリント結果(色や明るさ等)はプリンターやプリント用紙で変わってくるので、プリントで重要なことは、適切なプリンター用紙を選び、プリンターメーカーから用紙のプロファイルを入手し、プリンターと用紙を設定することで、詳細はプリンターメーカーのホームページを参照下さい。
ワークフロー

カメラの設定から後処理までのワークフローを決めておくと、効率的に処理ができ、完成度の高い作品が得られる。ここでは作品づくりを前提としたワークフローについて述べている。仕事でもワークフローの基本は同じだが、依頼内容やクライアントによりワークフローが異なる。
作品撮りでは 簡易的なチェックだけで済ましている。
作品づくりにはマッキントッシュ iMac をメインに使っている。
Appleのマッキントッシュ、iPad、iPhoneでは色の差がほとんど無く写真用に使いやすい。
Appleディスプレイ・キャリブレーション・アシスタントの詳細設定をするだけでよい。
プリント:
所詮透過光と反射光で見る画像を同じにはできない。
テストプリントで確認して再調整する。慣れてくれば、ディスプレイを見れば
どんなプリントになるのか予測できるようになる。
ホームページ、SNS用:
iMac でチェックしている。
キャリブレーションされたディスプレイで見る人はほとんどいないので、
なるべく複数のパソコン(Windows PCも)、タブレット、スマートフォンで確認し、よほど悪くなければよし。
Think tank photo Stuff-it! は小さなポーチだが、歩いたりしゃがんだりする時にじゃまにならないのがよい。
フォトグラファーにとって最も重要なのは撮影データ。撮影直後、同時記録したダブルスロットのメディアは
別々の所に入れ、一つは必ず身に付けるようにしており、何があっても一つのメディアが残るようにしている。
thinkTank Photoのメディアケースを中に入れ、紐に付けたクリップでポーチに留め、落ちないようにしている。
又、できるだけ早く(なるべく撮影現場で)外付けハードディスクやSSDにバックアップを取るようにしている。
撮影した元データのRAWは日付順のフォルダに入れ、すぐに外付けハードディスクにバックアップする。
元データを選択した画像をRAW現像し、基本的な処理をした後、16bit TIFFデータとして、テーマ別フォルダに納める。
テーマ別フォルダは、上記とは別の外付けハードディスクにバックアップする。
このTIFFデータを画像処理し完成させる。上記2つとは別の外付けハードディスクにTime Machineで常時バックアップいている。又、3つの外付けハードディスはRAIDで2つのハードディスクに同時保存され、定期的に別のハードディスクにバックアップされる。
高画素化により、データ量が大きくなり、バックアップ用外付けハードディスクの台数が多くなるので困る。
RAW現像、画像処理ソフト
RAW現像ソフトにはカメラメーカが提供する各社専用ソフト:
ニコンでは Capture NX-D、
キャノンにはDigital Photo Professional(略してDPP)がある。
各社のカメラに対応した汎用RAW現像ソフトもあり、Adobe Photoshop に付随する Adobe Camera Raw(略してACR)等がある。
下はニコンの Capture NX-D。詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。
RAW現像、画像処理の詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。

3原色の各々の強さ、明るさを個別に調整することで、明るい部分から暗い部分までの明るさ、色を思い通りに調整できる。
人間の目で見たものは、脳でイメージが作られるが相対的なもので、言い方を変えれば錯覚があり、周りの明るさや色にまどわされるので、理論通りにはいかない。
しかし、色の三原色を理解しておくことは色調整で重要で、反対に錯覚をうまく利用すればよい。
補色(反対色)の関係、例えばスキンカラーに対して青緑色は対極する色になり、
orange and teal(ティール&オレンジ)と呼ばれており、人を目立たせる効果がある。
赤色や黄色は似た色になり、柔らかなトーンになる。
好ましい色は
色の調整は複雑で、個人個人好みが異なる。
作品撮りでは自分の好きな色合いを自分の個性として大切にしていけばよい。
カメラからの撮ってだしの色はカメラメーカーが良いと考える色であり、必ずしも現実の色を表現しているわけではない。
忠実色か記憶色かの問題もある。現実の色を(できたとして)正確に再現してもきれいと思われない場合もある。
ある程度の強調が必要なケースもある。
余りにも現実離れした色も違和感がある。
どんな色を、どこに配色するかは色彩のセンスになる。

RGB三原色の配列
(LTU, Look Up Table)
に基づき簡単に補正ができるようなプリセット。
右はグリーンを強調したLUP。

3色の強さをチャンネルミキサーで調整することで色を変えることができる。
夕焼けの雰囲気に調整した。
チャンネルミキサーの調整レイヤーでレッドのチャンネルを選び、レッドを少し強くした。
レッドのチャンネルにグリーンとブルーがあるが、これはそのチャンネルのレッドの強さを調整することになる。

ブルーは少し弱くし、反対色の黄色を強くした。
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全体の色の問題か、
部分的な色の問題かを分けて考え
対処するのがよい。
全体の色の調整は、
画像処理ソフトのカラー補正や
自動色調整の機能を使って簡単に
調整ができる場合もある。
右は古いプリントをスキャンしたが
プリントが変色していたので、
スキャナーのソフトで退色補正した。
部分的な問題は
人物の肌の色が良くない場合や、
色(緑)かぶりの問題があり
下で補正方法を説明する。
ホワイトバランス

全体の色がおかしい場合、ホワイトバランスが悪いことが多い。
ホワイトバランスとは、基本的に白を白く見せ、グレーをグレーに見せることにあり、昼の太陽光、夕方の光、電球、蛍光灯等光源の色温度に合わせて、見た目に近いように色調整することを言う。
ホワイトバランスを変えてみて自然な色になるように調整するとよい。ホワイトバランスを意図的に変えて、自分の色を出すこともできる。一般的にはオートにしておけばよい。
RAWで撮影しておくと、後処理でホワイトバランスを変更することができる。


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白を白として表現するだけでは面白くない。その場の雰囲気を出すことも重要。
上はカーテンを通した外光で撮影した写真と、シャンデリアで室内を照明した写真で、雰囲気を活かしながらフラッシュをマニュアル発光させテストした。

左側はありきたりの感じがするのでクールトーンに調整した。
ピクチャーコントロールは、カメラ内で画像の仕上がりを調整することで、彩度やコントラスト、場合によりホワイトバランスが調整される。
一般的なスタンダードから、色鮮やかな仕上げにするビビッド等があり、自分の好み、あるいは撮影対象により変更すればよい。
余り彩度やコントラスト、シャープネス等仕上がりを派手にし過ぎると、後の画像処理がうまくいかなくなるので、ピクチャーコントロールはナチュラルか、せいぜいスタンダードにしておくのがよい。
色かぶりの補正


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![]() Capture NX-D のヒストグラム |
肌が緑かぶりすることがある。
元画像は少し緑かぶりしているので、Photoshopのカラーバランスの中間調を上の右図のように調整した。
桜の赤色を強調する為、ハイライトのレッドを強くし、
髪の毛の色の調整の為シャドーを調整した。
全体を調整する為、わずかに青のカラーフィルターを顔にかけた。
明るさ・コントラスト調整レイヤーで顔を少し明るくした。
自然な彩度を少し高くして完成させた。

フラッシュを軽く当てると色を補正することができる。

RAWで撮影しておくと、RAW現像時ホワイトバランスを調整して、色を変えることができる。
まずは、画像の色分布がどうなっているのか、ヒストグラムで確認してみよう。RGB各色毎のヒストグラムを見ると、バランスがわかり、補正の方針がたてられる。
一部だけ色かぶりを起こした場合は、後処理で色を調整し、色かぶりを抑えることができる。
右の場合は、肌の部分が緑かぶりしており、Photoshopの調整レイヤーでカラーバランスのハイライトのグリーンをマゼンタ寄りに調整した。


まず全体を明るくした。


こんな時には、RAW現像からやり直した方が早いし、画質劣化も少ない。
背景に最適な条件と、人物に最適な条件でRAW現像し、背景の画像の上に、人物の画像を重ね、一旦全てのレイヤーを隠すレイヤーマスクを作成し、元に戻す。レイヤーマスクを選択し、白のブラシで人物を塗っていくと、このレイヤーが現れる。
未だ少し顔や衣類にに緑色が残っている部分があるので、新しいレイヤーを作成しデジタルメイクを施した。
新しいレイヤーを作成し、レイヤーモードをカラーにして色を塗っていく。
デジタルメイクについては こちらの記事もご覧下さい。
少し緑かぶりが残っているが、やり過ぎると現実感が無くなるので、これ位にした。


ライトの色で色かぶりしてしまうが
そのままにするのか、色調整するのか
個々のケースで判断するしかない。
この写真ではその場の雰囲気を活かし
モデルを色調整していない。
Nikon D500
16-80mm f/2.8-5E
16-80mm f/2.8-5E

紅彩絞りフィルターでソフト効果を与え、グラデーションツールで水銀灯の辺りをぼかした。


上の左は、床の手前にシーツを置いてカーペットの色かぶりを防いで撮影した。
Nikon D800E、24-120mm f/4G、絞り開放
上の右は下を向いて顔が暗くなりやすく、又緑かぶりしやすかったので、下にレフ板を置いて光を補った。
Nikon D3x、50mm F1.4 使用

「色相・彩度」の調整レイヤーを作成し、グリーン系を選択、彩度を極端に落とし、必要があれば色相、明度を調整する。
レイヤーマスクで、補正を必要とする場所に適用した。


肌の色の調整
肌の色は個人差があるが、アジア人(黄色人種)の肌は白人と比べると黄色味を帯びており、忠実色で表現するのか、ピンクがかった白人の肌の色に表現するのがよいのか、ケースバイケースで判断する必要がある。



左は標準的な処理で画像処理した画像で、右は上のトーンカーブのレイヤーの透明度を調整し、適度にブルーイッシュな感じにした。
肌の色の詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。



上は元画像で、新しいレイヤーを作成し陽が差すあたりをオレンジ色に塗った。
Photoshopの画像操作を右のようにした。

夕日の雰囲気が出た。

Capture NX-D でRAW現像時コントロールポイントを用いて部分的な調整をし、夕暮れの雰囲気を出した。
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室内でも照明器具により色温度が違ってくる。
作画意図によりその場の雰囲気を残す方が良い場合もある。

右の写真はホワイトバランス:オートで撮影したJPEG画像
明るさ・コントラストを調整し、暗部のカラーバランスを青にふり、明部のカラーバランスを黄色にふってイメージ通りの作品にした。
![]() 画像をクリックするとA4プリントサイズ相当の拡大画像が開く |
Nikon D810
80-400mm f/4.5-5.6G
絞りF8

3色の強さをチャンネルミキサーで調整することで色を変えることができる。
夕焼けの雰囲気に調整した。
チャンネルミキサーの調整レイヤーでレッドのチャンネルを選び、レッドを少し強くした。
レッドのチャンネルにグリーンとブルーがあるが、これはそのチャンネルのレッドの強さを調整することになる。
![]() 画像をクリックすると拡大画像が開く |
ブルーは少し弱くし、反対色の黄色を強くした。
カラー・グレーディングについての詳細は
▶ こちらの記事をご覧ください。
ディスプレイに表示された通りの出力が得られるようになっていれば、パソコンの画像処理で作品を作り込んでいくことができる。
プリントしてみるとディスプレイの表示とは異なる色や明るさになり、意図する結果にならない場合、カラーマネージメントの原因が考えられる。
プリンターの自動色調整で色や明るさを調整するのは、自分の意思でイメージを出力することにはならない。
厳密には、ディスプレーは透過光のRGBで、プリントの反射光のCMYGとでは見え方が異なり、又、ディスプレイで表示できる色の範囲と、プリンターで表示できる色の範囲が異なり、最終的にはテストプリントで確認、修正する必要がある。
一番難しいのはポートレイト画像の出力で、特に女性の肌の美しさを出そうとすると、明るさや色調、彩度を微妙に調整する必要がある。白人、日本人でも肌の色が違うし、褐色から白い肌の人まで千差万別で、どこをどういじればよいのか、正しい知識と経験と感が必要となる。
詳しくは ポートレイト画像処理編 を参照下さい。

詳しくは 風景写真画像処理編 を参照下さい。
仕事ではクライアントのカラーマネージメントに合わせており、作品づくりも同じにしている。
カラーマネージメントの方法は色々あるが、AdobeRGBで統一するやり方を推奨する。
AdoveRGBによるカラーマネージメントでは、カメラの設定、ディスプレー、プリントまでをAdobeRGBのカラープロファイルで統一し、カラーマッチングする。ワークフローを決めておくと、効率的に処理ができ、完成度の高い作品が得られる。
まずはパソコンのディスプレイ(モニタ)が調整されていなければならない。
コントラストが高いモニターは写真編集・観賞用に適さない。
正確には、モニタ調整用チャートを使用して色温度や明度を調整したり、ハードウェアキャリブレーションによりカラーマネージメントする必要がある。詳細はモニターの説明書を参照ください。
ディスプレーは、表現できる色範囲が広いAdobeRGBに対応したディスプレーが望ましい。
ノートパソコンのディスプレイは色表現に劣るが、MacBook Pro Retina はIPS方式のレティナディスプレイを採用しており、写真の確認、調整に適する。
しかし、いくらディスプレーで確認しても、透過光と反射光との違いで見え方が違うので、最終的にはテストプリントで確認する必要がある。
ディスプレーがsRGBにしか対応していなくても、慣れてくるとプリント結果を推測できるようになり、又、テストプリントによって適正に最終調整できるようになる。
AdobeRGBに対応したディスプレイは高価なので、仕事で使うのでなければ安価なsRGB対応でもよいが、ディスプレイの調整は必要。
室内環境も重要で、私はパナソニックの三波長形蛍光ランプ昼光色、色温度5000Kを使用していたが、最近LEDに変えた。
私は
メインマシーン MacPro、iMac、MacBook Pro 15inch(756GB ヒュージョンドライブを搭載)
モバイル用 MacBook Pro Retina 15inch、MacBook Retina 12inch、東芝 Dynabook Kira V63/28M
MacBook Air 13inch、iPad Air、iPad mini、場合により iPhone を使う。
ディスプレイ NEC製LCD-PA272W、昔からNEC製ディスプレイには信頼を置いている。
私の場合は経験上、パソコンで見ると、どのように出力されるかほぼわかるが、それでも、プリントの場合はテストプリントを何回か行い、ウェブ画像の場合は4台の異なるパソコン、ディスプレイで確認して最終調整している。
プリントの場合は、プリンターだけでなく、用紙によっても結果が異なるので、そのプロファイルを入手して、最適な結果が出るようにしている。
重要なのはプリントする時、プリンターの自動色調整をオフにしないと、せっかく画像処理した結果が反映されない。使用する用紙のプロファイルを入手し、そのプロファイルでプリントすることで、用紙にあったプリントができる。詳細はプリンターの取扱説明書やメーカーのホームページで確認下さい。
カラーマネージメントされていないのに、プリンターの設定をいじって、色合わせをするのは間違いで、違う画像では又色合わせをしないといけないことになる。
写真を深く鑑賞するにはA4以上にプリントするのがよく、A3ノビにのばすと迫力があり、作品展示に好ましい。ディスプレーの約4倍(300dpi程度)の高精細な写真を鑑賞でき、作品の神髄を感じることができる。
又、自分の意思が作品として反映できるプリンターを選ぶことが重要になる。

プリンターは、エプソンの A3ノビ対応顔料系プリンター SC-PX1V とエコタンク搭載A3ノビ複合機の Epson EW-M973A3T を使っている。
A3をプリントする機会が少なければ、A4プリンターにして、A3以上はプロラボ等でプリントする手もある。私もA3ノビ以上の大きさにプリントする時はプロラボを使っている。
プリント結果(色や明るさ等)はプリンターやプリント用紙で変わってくるので、プリントで重要なことは、適切なプリンター用紙を選び、プリンターメーカーから用紙のプロファイルを入手し、プリンターと用紙を設定することで、詳細はプリンターメーカーのホームページを参照下さい。
ワークフロー

カメラの設定から後処理までのワークフローを決めておくと、効率的に処理ができ、完成度の高い作品が得られる。ここでは作品づくりを前提としたワークフローについて述べている。仕事でもワークフローの基本は同じだが、依頼内容やクライアントによりワークフローが異なる。

作品づくりにはマッキントッシュ iMac をメインに使っている。
Appleのマッキントッシュ、iPad、iPhoneでは色の差がほとんど無く写真用に使いやすい。
Appleディスプレイ・キャリブレーション・アシスタントの詳細設定をするだけでよい。
プリント:
所詮透過光と反射光で見る画像を同じにはできない。
テストプリントで確認して再調整する。慣れてくれば、ディスプレイを見れば
どんなプリントになるのか予測できるようになる。
iMac でチェックしている。
キャリブレーションされたディスプレイで見る人はほとんどいないので、
なるべく複数のパソコン(Windows PCも)、タブレット、スマートフォンで確認し、よほど悪くなければよし。

フォトグラファーにとって最も重要なのは撮影データ。撮影直後、同時記録したダブルスロットのメディアは
別々の所に入れ、一つは必ず身に付けるようにしており、何があっても一つのメディアが残るようにしている。
thinkTank Photoのメディアケースを中に入れ、紐に付けたクリップでポーチに留め、落ちないようにしている。
又、できるだけ早く(なるべく撮影現場で)外付けハードディスクやSSDにバックアップを取るようにしている。
撮影した元データのRAWは日付順のフォルダに入れ、すぐに外付けハードディスクにバックアップする。
元データを選択した画像をRAW現像し、基本的な処理をした後、16bit TIFFデータとして、テーマ別フォルダに納める。
テーマ別フォルダは、上記とは別の外付けハードディスクにバックアップする。
このTIFFデータを画像処理し完成させる。上記2つとは別の外付けハードディスクにTime Machineで常時バックアップいている。又、3つの外付けハードディスはRAIDで2つのハードディスクに同時保存され、定期的に別のハードディスクにバックアップされる。
高画素化により、データ量が大きくなり、バックアップ用外付けハードディスクの台数が多くなるので困る。
RAW現像、画像処理ソフト
RAW現像ソフトにはカメラメーカが提供する各社専用ソフト:
ニコンでは Capture NX-D、
キャノンにはDigital Photo Professional(略してDPP)がある。
各社のカメラに対応した汎用RAW現像ソフトもあり、Adobe Photoshop に付随する Adobe Camera Raw(略してACR)等がある。
下はニコンの Capture NX-D。詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。
RAW現像、画像処理の詳細は ▶ こちらの記事をご覧ください。
要望により拡大画像を載せていますが、低画質画像です。
著作権侵害は犯罪です。法的措置を講じています。
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